ナポリ近郊の日帰り観光として定番のカプリ島やポンペイ遺跡以外にも、ぜひ訪れていただきたいスポットをご紹介します。ナポリから乗り換えなしの列車で１時間～１時間20分、パエストゥム駅を降りて少し歩くとギリシャ式神殿が残された遺跡があります。



パエストゥムの遺跡　公式サイト

紀元前にギリシャの植民地だった頃に建設された神殿は、その保存状態の良さが世界的にも貴重なものとされ、1998年に世界遺産に登録されました。イタリアに残るギリシャ式神殿といえばシチリア島のアグリジェントが有名で、こちらも世界遺産に登録されていますが、パエストゥムの神殿もそれに並ぶほどといえるでしょう。



近くには、遺跡からの出土品が展示された「国立考古学博物館 Museo Archeologico Nazionale」があります。公式サイト



この博物館で有名なのが古代ギリシャ時代のフレスコ画で、特に通称「ダイバーの墓（Tomba del Tuffatore）」と呼ばれる、男性があの世に向かって飛び込む様子が描かれたものは必見です。この遺跡を見学しながら、しばし紀元前へのタイムスリップを楽しんでみてはいかがでしょうか。

ナポリの歴史地区は世界遺産に登録されているにもかかわらず、カプリ島ツアーやポンペイ遺跡ツアーのついでに、ナポリ市内観光はサンタ・ルチア地区を車窓観光、またはちょっと下車しただけでおしまい、というケースが多いのではないでしょうか。



2度目のナポリ観光では、サンタ・ルチア地区の観光名所に入場見学するだけではなく、様々な教会が建ち並ぶ下町スパッカ・ナポリ地区訪問もおすすめです。以前は、スパッカ・ナポリは治安があまり良くないといわれていましたが、現在は揚げ物屋やピザ屋などのナポリのB級グルメ店が並ぶ賑やかな通りとなっており、以前ほど危険な雰囲気はありません。とはいえ、手荷物に注意する必要はありますが、これはナポリ以外の都市にもいえることですね……。



この地区にある教会の中でも必見なのは、町のシンボル大聖堂（ドゥオモ）と、マヨルカ焼きの回廊が美しいサンタ・キアーラ教会です。ドゥオモでは、毎年5月の第一土曜日と9月19日、そして12月16日に、壺に入れられたナポリの守護聖人ジェンナーロの血が液体化する奇跡が起こるといわれており、液体化しない年は、ナポリに大災害が訪れると言い伝えられています。スパッカ・ナポリ地区には他にもサン・ロレンツォ・マッジョーレ教会、サンタンナ・デイ・ロンバルディ教会などの見どころがあるので、B級グルメを楽しみながら、のんびりと１日教会めぐりをすることをおすすめします。

かつてメディチ家の住居であったピッティ宮殿内に、ウフィッツィ美術館ほど有名ではありませんが、美術鑑賞がお好きな方には必見のパラティーナ美術館があります。ウフィッツィ美術館に勝るとも劣らない規模で、ラファエッロの代表作が多く展示されていることで知られています。

元は歴代のトスカーナ大公の住まいだったため内部装飾も素晴らしく、当時のキッチンやお風呂など大公の居室を見学できる無料の「大公のキッチンツアー La Cucina
Granducale」も催行されています。



ピッティ宮殿の裏には広大なボーボリ庭園があり、そこから続いてバルディーニ庭園があります。この庭園にはバラやアイリス、アジサイなど季節の花々が植えられており、特に４月頃が見ごろの藤のトンネルは見事です。フィレンツェの展望台といえばミケランジェロ広場が有名ですが、丘の上にあるこの庭園からもフィレンツェの街並みを見渡すことができます。庭園には見晴らしのいいテラス席のあるカフェがありますので、庭園の散策に疲れたらフィレンツェの街を眺めながら、のんびりとお茶を飲んで過ごすのも素敵です。